網守将平 「SONASILE」
この商品のレビュー
これまで音楽シーンと美術シーンの狭間で五線譜とコンピューターを瞬く間に持ち替えてきた彼の単独デビュー作は、自らのピアノやボーカルをエレクトロニックサウンドと共にふんだんに取り入れた、まさかの全編ポップミュージックによるフルアルバム。予測不可能な楽曲構造と複雑なアレンジメントが展開されつつも、一度聴いたら頭から離れなくなるような中毒性の高いメロディーを隙あらば擦り込ませるなど、ジャンル不問かつ総合的に培われた作曲スキル・ポップセンスが容赦なく発揮されており、アルバム全体が一本の叙事詩的映画のように絶妙にまとめ上げられている。そこには、YMO~渋谷系~音響派と脈々と受け継がれてきた日本の音楽とテクノロジーの歴史や文脈を一旦脱構築し、ポジティブに俯瞰する行為をリスナーにもたらし得る、多様な聴取/思考の可能性が備わっている。
ゲストヴォーカリストとして、シンガーソングライターとして既に全国的に高い評価を得ている柴田聡子(M3)、作曲家としても活動しnobleからのリリースなどで知られるBabi(M8)が参加。作詞とギターで、活発なソロ活動と共にceroなどのサポートミュージシャンも務めている古川麦(M10)が参加。マスタリングは、サウンドアーティストでありながらエンジニアとしてもテニスコーツ作品のマスタリングなど幅広く活動を展開している大城真が担当。コンピュータグラフィックス・実写合成を用いたアートワークは若手美術作家である永田康祐が担当している。
【Track List】
01. sonasile
02. Pool Table
03. Kuzira
04. Stab/Text
05. Flat city variation
06. LPF.ar
07. atc17
08. env Reg.
09. Sheer Plasticity Of The Lubricant
10. Mare Song
11. Rithmicats
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