★予約★ Frances Chang 「been thinking bout confession」
この商品のレビュー
※予約商品含む複数ご注文の場合、予約商品入荷後まとめて発送いたします。即発商品を先に発送をご希望の場合は別途ご注文下さい。
※流通や制作上の都合により、入荷遅延や発売中止/取り扱い中止となる場合がございます。
ブルックリンを拠点に活動するミュージシャン/プロデューサー、Frances Changによるサード・アルバム!
Bjorkの地球外的な美しさやBroadcastのレトロフューチャーな夢想性を想起させる魅惑のサウンドを披露!
デジタルとフィジカル、記憶と録音、告白と回避のあいだで揺れながら、Frances Changは自己の奥底に広がる不確かな領域を音として描き出す。映画的なスケールとベッドルームの親密さ、オーケストラルな高揚と実験的な電子音響が交錯する『been thinking bout confession』は、声、ピアノ、記憶、幻想が幾層にも重なり合う、スリリングで美しい“音の意識の成長映画”である。
シカゴで移民の両親のもとに生まれたFrances Changの音に対する感覚は、偶発的な聴覚体験と録音された音とのあいだで形作られた。母がリビングルームで弾くピアノに合わせて踊っていた幼少期の記憶、My First Sonyの玩具に録音された自分の歌声を初めて聴いたときの衝撃、そして幼い頃から親しんだ映画や文学は、彼女の音楽における物語性、内面性、そして「どこか別の場所へ連れて行かれる」感覚への関心を決定づけた。彼女の音楽には常に映画的な性質が息づいており、心理スリラーやファンタジー大作のスコアのように響く瞬間もあれば、成長物語を描くインディー映画のような親密さを帯びる瞬間もある。
子どもの頃に愛した中世風RPG『King’s Quest』がもたらした、デジタル世界の方が現実よりも広大に感じられるような感覚は、『been thinking bout confession』全体に漂う不気味の谷的な世界構築にも通底している。Chang自身は本作を「デジタルとフィジカルのあいだにある視点の、ある種の入れ子構造」と表現している。Madonnaの“Like a Prayer”や『Jesus Christ Superstar』といった初期の音楽的影響は、文化的な道標であると同時に、声が感情を伝えるうえで持つ無限の可能性を示すものでもあった。
ほぼ独学で音楽を身につけたChangの声には、絶えず何かを探し続けているような直感的な質感がある。彼女の音楽的実践はベッドルームを中心に育まれたが、形成期のライヴ経験は、バンドgiant peachで活動したアンダーグラウンドのパンク、エモ、ポスト・ハードコア・シーンにあった。その後、ソロの実験的作品やスポークン・ワード、インストゥルメンタル作品を発表。2022年の『support your local nihilist』は、Changが本名で発表した初のソング・アルバムであり、シュルレアリスティックで親密なサウンドへの回帰を示した。2024年の『Psychedelic Anxiety』では、ドラマーとベーシストを迎え、のちのライヴ・トリオへとつながる編成を確立している。また映画音楽の分野でも、『Sunset Seduction』(Charles de Agustin監督、2024年)や『Where Can We Be Found?』(EcoRove監督、2023年)において、ノイジーでドローン的、ミュージック・コンクレート的な音響のなかに旋律の糸を差し込む、独自のスコアを手がけてきた。
『been thinking bout confession』では、真実と虚構の境界が曖昧になっていく。アルバムの「主人公」は、より明確な自己理解に近づいたり、そこから遠ざかったりを繰り返す。浮遊感のある異質なヴォーカルは、時に水晶のように澄み、時に鋭く突き刺さる声へと変化する。率直なピアノ・バラードとして始まった曲のなかに、不遜な電子音のアレンジが突然噴き出すこともある。この実験性、方向感覚の喪失、そして可能性の感覚が、本作にスリリングで問いかけるような輪郭を与えている。
カトリックにおける告解は、罪を受け止める聞き手を必要とする。しかし本作で「告白」される罪は、司祭ではなく自己に向けて語られる、より捉えどころのないものだ。『been thinking bout confession』は、回避してきたものと直接向き合う作品であり、聴き手は極めて個人的な清算を盗み聞きしているような感覚を覚える。Changはここで、壮大でほとんどオペラ的なオーケストレーションのうねりと、説明されるのではなく感知される皮下的な中間層を同時に扱っている。
サウンド面では、Bjorkの地球外的な美しさやBroadcastのレトロフューチャーな夢想性を想起させつつ、ChangはChet Baker、Dionne Warwick、Burt Bacharachといった、一見意外な影響源も挙げている。普段用いるギターをほとんど脇に置き、これら11曲は主にピアノで書かれた。彼女はピアノを「私の精神における女性的な根」と呼んでいる。本作では、従来とは異なる使われ方をしたスプリング・リヴァーブ、古いコンプレッサー、チューブ・プリアンプが、現代的なデジタルの背景と不気味に溶け合い、過去、現在、未来へと同時に広がっていくようなリスニング体験を生み出している。
アルバムは、ブルックリンのサンセット・パークにあるChangの自宅と、クイーンズのマスペスにある共同プロデューサーAndréa Schiavelli(Eyes of Love)のスタジオで録音された。Schiavelliはエレクトリック・ベースと一部の追加ピアノも担当。ストリングスはSammy Weissbergがアレンジし、Shaleah Feinstein、Sean Lim、Edwin Kaplan、Austin Fisherによるカルテットが演奏している。William AlexanderとLiza Winterがドラムを担当し、“No avatar”ではCarolyn HietterとJake Tobinがサックスを演奏。“Marry”終盤の台詞ではSylvia Gorelickが声の演技を担当している。
アルバム全体を通して、最も重要な音楽的存在はChangの声である。それは枕のように柔らかく、同時に奇妙なほど乾いている。カメラに居心地悪いほど近く座っているかのように、その声はしばしばミックスのなかで最も大きく響く。この近接感は、アルバムが映画と持続的に対話していることを思わせる、奇妙な被写界深度を生み出している。ここにあるのはスペクタクルではなく、クローズアップである。曲は場面のように進み、内面生活と外部からの要求との摩擦をめぐる、静かな清算として立ち現れる。
そこから浮かび上がるのは、音として描かれた「意識の成長映画」である。Changのヴォーカルは語り手であると同時に証人でもあり、螺旋を描くように高まっていく詩情を通じて、聴き手を混沌とした構造物の奥へと導いていく。その手に握られた蝋燭の光は、自己欺瞞的でありながら、同時に痛いほど透明でもある。
【Tracklist】
01. Bad zen
02. I can feel the waves
03. Is affect real?
04. Marry
05. No avatar
06. Midnight in the garden
07. Job’s tears
08. Auratones of Desire
09. That night
10. Prosperity Shrimp
11. Honestly
ツイート















