Moses Hightower 「Onnur Mosebok」
この商品のレビュー
ソウルとは黒人の音楽でした。 引き合いに出すアーティストが古くて恐縮ですが、ソウル的な音楽を白人が奏でるにあたり、ブルーアイドソウル(瞳がブルーの白人がやるソウル)という言葉が飛び出し、それで最も有名になったのが、アメリカの人気デュオ、ダリル・ホール/ジョン・オーツかと思います。
モーゼズ・ハイタワーもそういう系統で、それに則して名称を付けるならば、アイスランド・アイズ・ソウルでしょうか。前述のダリジョンや、大御所のマーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダーなどに代表されるような、口当たりのいい、洗練されたアイスランド・ソウルをここに聞くことができます。
一番の特徴は耳障りのいいヴォーカル・ハーモニーで、ファルセットも使っての、ヴァラエティ感満載のハーモニーが心地いい。また、演奏も、音を詰めすぎず、いい感じにゆるゆるで心地よい。そして、全曲アイスランド語で歌われているのにも異国情緒を感じることでしょう。
音的にはちょっとサイケだったり、アシッド・ジャズ的、時にボサノヴァ的だったりと、本当にバラエティに富んでいて飽きません。
近年、欧米でどれほど新しソウル・グループが出現しているのか全く分からないのですが、このグループの、特にこのアルバムは捨て曲のない非常に優秀な作品かと思います。
ちなみにアルバムタイトルの『Onrnur Mosebok』とは、英語でExodusのこと。つまりは清書の『出エジプト記』です。なぜグループ名にモーゼがついたのかわかりませんが、そこらへんに掛けているのでしょう。ぜひ直接会ってインタビューしてみたいグループです。
【Track List】
1. Stutt skref
2. Tiu dropar
3. Inn um gluggann
4. Sjaum hvad setur
5. Margt a manninn lagt
6. Haa c
7. Mannhofin sjo
8. Godur i
9. Trodinn snjor
10. Byrjar ekki vel
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