★特典★ Pot-pourri 「Diary」
この商品のレビュー
自らをアブストラクト・ポストパンクと評し、普通のロック・バンドの編成とは異なるアンサンブルで、メロディアスながらもカッティング・エッジなオリジナル・サウンドを追求してきた Pot-pourri (ポプリ) の2ndアルバム!
6曲入りながら、フル・アルバムのヴォリュームで届ける新作『Diary』は、全楽曲の作詞・作曲を手掛けるフロントマンのSawawoが「記録する」「録音する」ということへ拘り、あえて宅録やフィールドレコーディングなどを多用している。
前作『Classic』と比べると、『Diary』は歌詞もサウンドもかなり拡がりのあるものになり、より多くの人に届きうる作品となった。録音環境は多岐に渡るが、むしろソングライティングの個性がより際立ち、前作以上にアルバムとして統一感のある作品となっている。サウンドメイキングにおいては、Sawawoの音楽嗜好の核になるものを掘り下げるように、黎明期のイギリスのポスト・ロック周辺(Talk Talkの『Sprit of Eden』期、A.R. Kaneの『Sixty Nine』やBark Psychosis等)や、前作以上にプログレッシヴ・ロック(特に『Islands』期のKing Crimson)的なものが意識的・無意識的に反映されているようなところから始まり、完成が近づくに連れて、Radioheadの『Amnesiac』や『A Moon Shaped Pool』、スウェーデンのミュージシャンStina Nordenstamの『Dynamite』や『People Are Strange』(cover album)との類似性を感じさせるようになった。
音の質感はTirzahおよびMicachu(Mica Levi)の参照に始まり、Slauson Malone、Wool and the Pants等、ジャンルを超えた現代のローファイ感を自分達なりの解釈で導入している。
メンバーとしてプログラミングで参加するRYO NAGAI a.k.a.液晶が全曲のミキシングを手掛け、彼がリスペクトするNine Inch Nails、The NotwistやRadianのようなポストパンク、ダブ、エレクトロニカ/IDMの流れを汲んだ、轟音と静寂が同居するサウンドを作り上げた。
できあがった作品はレーベルであるHEADZの繋がりもあるdetune.や、君島大空の作品に通底する変則的な構成やファンタジックな世界観も見せている。メンバーも影響を公言するPeople In The Boxが日本のオルタナ・バンドとしてのスタンスを崩さず確立した、モダンでもある独自のポップ・スタイルに近い空気感を持った、前作以上に唯一無二な音楽性に到達した素晴らしいアルバムとなった。
マスタリングはDUB SQUAD/ROVOの益子樹が担当し、Pot-pourriの理想とする立体感のあるサウンドに仕上げた。アートワークとデザインは前作『Classic』に引き続き、『バベルの設計士』(ジャルダンコミックス)で知られる ʻ建築漫画家ʼ 芦藻彬が担当し、Pot-pourriの音楽を立体物のCD装丁を含めたヴィジュアルで表現している。
【Track List】
1. Astra
2. Comic
3. In Profile
4. Vertigo
5. Papillon
6. Diary
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