The Marías 「Submarine」
この商品のレビュー
The Marias の『SUBMARINE』へようこそ。
2021年に発表したデビュー・アルバム『CINEMA』でグラミー賞にノミネートされ、早耳リスナーの注目を集めたプエルトリコ生まれ、アトランタ育ちのMaría Zardoya率いる4人組サイケデリック・インディー・ポップ・ロック・バンド、The Marias。Mariaとロサンゼルス出身のJosh Conwayを中心に、二人の親友であるギターのJess PerlmanとキーボードのEdward Jamesによって結成された彼女らは、鮮やかなヴィジュアルに、英語とスペイン語で歌うスモーキーなヴェルヴェット・ヴォイスと幻惑されるようなギター・リフ、ジャジーなパーカッションにノスタルジックなホーンが生み出すサイケデリックでドリーミーなポップ・ロック・サウンドでじわじわと人気を集めている。そのThe Mariasが新たなるアルバムを完成させた。
前作から約3年振りとなるニュー・アルバム『SUBMARINE』。深い水の底を思わせる群青色(ウルトラマリン)をキービジュアルとした本作は、人が持つ複雑な感情や孤独を選択することの意味、そしてそれらと表裏一体にある痛みや美しさを掘り下げた、The Mariasによる孤独と探求をテーマにしたアルバムである。その、まるで水底で聴いているかのような没入感の高いサウンドスケープへの入り口となるのが、リード・シングルとなるアップテンポなシンセ・ポップ・ロック・ナンバー「Run Your Mouth」だ。
「これは私とJoshが『SUBMARINE』の為に作った最初の曲の1つ。その頃の私には対立回避の傾向があって、誰から真剣な話をしようとしたら、その場から逃げて隠れていたの。それが一つの防御機制で、自分に心を開けるようなキャパが無かったと知った。アルバムにはこのような曲はこれ以外にはないから、曲に合わせて踊ってほしいな」
「Run Your Mouth」について、Mariaはそう語る。またアルバムのヴィジュアルも手掛けているバンドの長年のコラボレーターであるBethany Vargasが監督を手掛け、MariaとJoshの3人でクリエイティブ・ディレクションを手掛けたミュージック・ビデオもThe Mariasの世界観に更なる深みを持たせている。
現時点ではこの1曲のみが明かされているだけだが、常にファンやリスナーに、ユニークで変革的な音楽体験を届け続けている彼女たちのこと、アルバムを詳細を少しずつ露わにしながら、セイレーンのように聴くものを深い水底にあるThe Mariasの音世界へと引きずり込むのだろう。
アルバムの発売に向けて、Mariaからメッセージが届いている。最後にここで披露しよう。
「『SUBMARINE』は孤独と探求を象徴するアルバム。このアルバムを作ったとき、私たちは失恋の渦中にあり、私の心はことあるごとに渦巻き、視界がぼやけていた。気づく人は誰もいなかったが、曲作りの過程で、の心が水中に沈んだ感じがあり、自分の思考の反響以外何も聞こえない瞬間があった。その意識の反対側へ抜けたとき、私はこれまでにない明瞭さと、これ以上ないぐらいほど誇りに思える作品が出来上がった。
このアルバムを聴く準備が出来たら、ヘッドフォンをつけて、自分の内なる世界に向き合えるような静かな場所を見つけて、ためらうことなく飛び込んでほしい。
待ちきれないけど。きっと楽しいことになるわ。そこで会いましょう。
愛をこめて」
-----Maria
【Track List】
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