Anchorsong「Chapters」
この商品のレビュー
アンカーソングこと吉田雅昭は4年半の歳月をかけて3枚のミニアルバムをリリース。その後、彼は自身の楽曲に個性はあってもテーマ性が欠けているという思いを抱き、その欠けているものをロンドンの刺激的なシーンで見つけたいという思いから、活動の拠点を東京からロンドンに移す。
その結果生まれた今作は、彼自身が“全てのエレクトロニックミュージック・クリエイターにとってこの上なく刺激的なシーン” と表現するロンドンでの経験なしでは生まれ得ない作品になった。「今回の作品のテーマは、『ミニマルであり、ドラマチック』」と本人が語るように、今作では繊細さと大胆さを合わせたドラマチックなメロディにミニマルなリズムが同居している。ミニマルという表現は、彼がライヴ・パフォーマンスの中で黙々とMPC2500でループを作り上げていくスタイルの根幹であり、攻撃的な「Split」やスウィートな「Darkrum」、UKアンダーグラウンドのテイストが漂う「Plum Rain」。
それぞれ振れ幅がある楽曲群にひとつのバックボーンを持たせている。「自分にとって数少ない “通して聴きたくなるインストアルバム”の一つに仕上がった」と語る本作はこれまで世に生み出されて来た数多くのインストアルバムとは一線を画している。これから先、個性的な楽曲を生み出しつつも変わらないスタイルを備えたライヴ・パフォーマンスを続けていくであろうアンカーソングを語る上では、絶対に外すことのできない金字塔的作品が、この『Chapters』なのだ。
01. Split
02. At The Hyatt
03. Ghost Touch
04. Darkrum
05. Plum Rain
06. Ornaments
07. The Blacksmith
08. Gingko
09. Before The Apple Falls
10. Blocks
11. Daybreak
12. Amulet [Bonus Track for Japan]
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