CLARK「Fantasm Planes」
この商品のレビュー
本作『Fantasm Plane』の制作に関してクラークは、最新のライブ・セットに大きくインスパイアされたことを語っている。よりハードで、よりダンスフロア向けにアップデートしたそのアプローチが還元された楽曲群は『Iradelphic』に収録された重要曲を最新ヴァージョンにアップデートした3曲と、最新トラック3曲にボーナストラックを加えた全7曲を収録。螺旋状にうねるミニマルなシンセ・ワークとクラークらしいフロアライクなビート・プロダクションがポリリズミックに絡み合う新曲” Fantasm Planes”(M-1)で幕を開けると、『Iradelphic』の冒頭をオリエンタルなアルペジオで飾った”Henderson Wrench”破壊的なハンマー・ビートを従えた”Henderson Swooping”(M-2)へ豹変、サイケデリックなメロディが頭から離れない”Com Touch”にもクラークらしい凶暴なアタック感のあるビートが敷かれ、新たなモチーフへカット・インするダイナミクスに興奮を禁じ得ない” Com Re-Touch / Pocket for Jack”(M-3)へ再構築されている。
「イアン・ブラウンがずっとトランペットの音が好きだったように、俺もフルートの音に魅了されることがある。それにベースだね。アナログ・ベースとサイケデリックなメロディを使ってフロアをトリップさせるんだ。ヒッピー的なやつじゃない。この『Fantasm Planes』は、爆音で聴いて意識が歪むのを感じるための作品で、そういう意識で制作したんだ。レイヴの感覚を意識しながら、もう一度アルバムにフォーカスしてみた。だけど『Iradelphic』の持つ飽和したテクスチャーは今作でも重要な役割を果たしてるんだ」- クラーク
さらに、自身の作品にはじめてヴォーカリストを招いた、マッシヴ・アタックやトリッキーで知られるマルチナ・トップレイ・バード参加曲”Secret”はアルバムで見せた深淵がまるで嘘だったかのように、よりディープなサウンドスケープを纏ったヴァージョン”Secret Slow Show”(M-5)へ深化、残りの新曲2曲ではチルアウトからは程遠い、クラークにしかたどり着けない高揚感が充満するアンビエント・トラックを収録。
本作を聴かずに過去最高傑作の呼び声高い『Iradelphic』で獲得したその圧倒的な”自由”は完結しない。
01. Fantasm Planes
02. Henderson Swooping
03. Com Re-Touch / Pocket for Jack
04. Brigitte
05. Secret Slow Show
06. Dove In Flames
07. Russian Dust Hoarder *Bonus Track For Japan
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