THE ASPHODELLS 「RULED BY PASSION,DESTROYED BY LUST」
この商品のレビュー
疑いようのない音楽センスと、蓄積された深い知識と経験によりいつの時代も第一線で活躍してきた英国音楽界で最もリスペクトされているDJ/プロデューサー、アンドリュー・ウェザオール。プロデューサーとしては1989年リリースのハッピー・マンデーズ''ハレルヤ''のリミックスを第一歩に、プライマル・スクリームのリミックス''Loaded''とそれに続く歴史的なアルバム『Screamadelica』のプロデュースによって、早くもその才能を世界中が認め、アンドリュー・ウェザオールという唯一無二の存在を確立した。
セイバーズ・オブ・パラダイス<WARP>やキース・テニスウッドとのユニット、トゥー・ローン・スウォーズメン<WARP/R.G.C>、そしてその豊潤なキャリアを総括したソロ名義、エレクトロニカ、テクノ、エレクトロ・パンクといった様々なスタイルでダンス・ミュージックを牽引しながらエレクトロニック・ビーツを駆使した新しいロカビリー・スタイルを生み出すなど常にロックとダンス・ミュージックのクロスオーバーを実践してきた。
今回、彼がパートナーに選んだのは、インディーダンス・ユニット、バタントに所属し、ロンドンやドイツの名だたる名門クラブを筆頭にヨーロッパ中でDJを行うティモシー・J・フェアプレイ。本作においてはトゥ・ローン・スウォーズメンの『Wrong Meeting』、そしてアンドリュー・ウェザオール名義でリリースされた『A Pox on the Pioneers』でフィーチャーされたロックン・ロール・サウンドからは離れ、より純粋なエレクトロニック・サウンドに回帰すると共に、また新たな境地にたどり着いている。
ずっしりと反復するビートに重なるしなやかなメロディ。楽曲はどれも特徴的で不気味で危険な色気を纏ったサウンドはまさにウェザオールの刻印が捺されたものであり、ギター・サウンドは荒々しい衝動に満ち溢れながら、ダビーにそして、サイケデリックに深く鳴り響く。さらに英国を代表する詩人ジョン・ベッチェマンの詩をフィーチャーした「Late Flowering Lust」とネオ・サイケデリアの旗手A.R.ケインの名曲をカバーした「A Love From Outer Space」の2曲がこれほどまで、自然に心地よく一枚のアルバムに収録されているのは驚きで、これまで彼がそうしてきたようにまた新たなダンス・ミュージックの潮流を予見する特別な空気が宿っている。ウェザオールとフェアプレイの類稀なセンスによってまたダンス・ミュージック史に名を残す確かな名作が誕生した。
01. Beglammered
02. Never There
03. Skwatch
04. Another Lonely City
05. Late Flowering Lust
06. Late Flowering Dub
07. We Are The Axis 08. One Minute's Silence
09. The Quiet Dignity Of Unwitnessed Lives
10. A Love From Outer Space (Version 2)
*Bonus Tracks for Japan
11. Zone
12. Dub Minute's Silence
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