tickles 「old note & afterward」
この商品のレビュー
ピアノ、オルガン、ギター、ベース、鉄琴、ドラムなど、数多くレコーディングを重ね、真摯に一つ一つの音を編み上げた最新作。どこまでも人間的で抒情的な作品に。
豊かなメロディと緻密なサウンド・デザインで、情感の溢れる作品を届けてくれるtickles が、前作『on an endless railway track』から一年あまりで4枚目のオリジナル・アルバムをリリース。
今回の作品は、これまでの流れを汲んだ繊細で叙情的なものであると同時に、少しばかりシンプルでメロディの抑揚を抑えた印象を受けるところが特徴である。
牧歌的でほのぼのした気分に浸れるオープニング曲“park” に始まり、繊細なタッチで可憐な音を紡ぎ上げていく“purple cloud”、まるで幼児が無邪気に駆け回ってるように音が遊ぶ “home”、叙情的なメロディに心奪われる“pod”と続くアルバムの前半部分は、心の機微を捉えたようなエモーショナルで、人間味のあるtickles 節を味わえるが、前作に比べると穏やかに進行し、ポッ プ度が減少しているといえる。
加えて後半に入ると“little kinds”やスティーヴ・ライヒを彷彿とさせる“number”のようにミニマルな曲、アンビエントなタッチで雄大に音が流れる“old note”などが登場し、作品のトーンは、緊張感 を漂わせつつ、より落ち着いたものへと変化。これにはいつもと異なる空気を感じとるひとも多いのではないだろうか。しかし、そうした変化で分かりやすさを削いだ代わりに、メロディの美しさや緻密な音の配置はより鮮明になり、作品自体の深みも増した事で、これまで以上に、曲の世界観へと引き込む力が強力になっている。
たとえ前作と同様の作風を踏襲しても、リスナーにとっては十分満足できる作品が完成したであろうことは想像に難くない。しかし今回、新しい方向へと舵取りしたことでtickles の新しい魅力を手に入れると共に、彼 のキャリアにとってエポックメイキングとなる作品がここに誕生した。
01. park
02. purple cloud
03. home
04. pod
05. little kinds
06. steam
07. door
08. old note
09. number
豊かなメロディと緻密なサウンド・デザインで、情感の溢れる作品を届けてくれるtickles が、前作『on an endless railway track』から一年あまりで4枚目のオリジナル・アルバムをリリース。
今回の作品は、これまでの流れを汲んだ繊細で叙情的なものであると同時に、少しばかりシンプルでメロディの抑揚を抑えた印象を受けるところが特徴である。
牧歌的でほのぼのした気分に浸れるオープニング曲“park” に始まり、繊細なタッチで可憐な音を紡ぎ上げていく“purple cloud”、まるで幼児が無邪気に駆け回ってるように音が遊ぶ “home”、叙情的なメロディに心奪われる“pod”と続くアルバムの前半部分は、心の機微を捉えたようなエモーショナルで、人間味のあるtickles 節を味わえるが、前作に比べると穏やかに進行し、ポッ プ度が減少しているといえる。
加えて後半に入ると“little kinds”やスティーヴ・ライヒを彷彿とさせる“number”のようにミニマルな曲、アンビエントなタッチで雄大に音が流れる“old note”などが登場し、作品のトーンは、緊張感 を漂わせつつ、より落ち着いたものへと変化。これにはいつもと異なる空気を感じとるひとも多いのではないだろうか。しかし、そうした変化で分かりやすさを削いだ代わりに、メロディの美しさや緻密な音の配置はより鮮明になり、作品自体の深みも増した事で、これまで以上に、曲の世界観へと引き込む力が強力になっている。
たとえ前作と同様の作風を踏襲しても、リスナーにとっては十分満足できる作品が完成したであろうことは想像に難くない。しかし今回、新しい方向へと舵取りしたことでtickles の新しい魅力を手に入れると共に、彼 のキャリアにとってエポックメイキングとなる作品がここに誕生した。
01. park
02. purple cloud
03. home
04. pod
05. little kinds
06. steam
07. door
08. old note
09. number
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