ANTONY AND THE JOHNSONS 「The Crying Light」
この商品のレビュー
本作で、アントニーは主題のフォーカスを移動させ、自然界と自らの関係を探究している。ジョンソンズのサウンドの親密さは、アヴァン・クラシカルの作曲家、ニコ・ミューリーによるシンフォニックな編曲にくるまれている。
「Her Eyes Are Underneath the Ground」の冒頭の部分は、木の葉が太陽にウインクし、「私の目にクリスタルを踊らせる」アニミズム的な世界を開示している。
そして、「Kiss My Name」の喜ばしい跳躍や「Epilepsy Is Dancing」の螺旋状に上っていくワルツが後に続く。
アルバムの中心となる曲「Another World」は、消えていく風景に対するシンガーの深い悲しみをなぞっていく。
「Dust and Water」の素晴らしいヴォーカルは、この魅惑的な子守歌を横切ってひらひらと舞い、広がりのある牧歌的な「Everglade」がアルバムの幕を閉じる。この曲で、アントニーは孤独の限界を乗り越え、自らの「パラダイスへと入っていく。
こうした夢想の中でアントニーは、その神秘的なポートレートが『クライング・ライト』のジャケットを飾る伝説的な舞踏家の大野一雄と一緒になっているようにも見える。
[TRACKLIST]
01. Her Eyes Are Underneath the Ground
02. Epilepsy Is Dancing
03. One Dove
04. Kiss My Name
05. The Crying Light
06. Another World
07. Daylight and the Sun
08. Aeon
09. Dust and Water
10. Everglade
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