suppa micro pamchopp 「わたしはオルガン」
この商品のレビュー
竹村延和主宰のレーベルChildiscから数々の作品をリリース、その竹村延和やイルリメなどのリミックスワーク、故レイハラカミとのユニット『きまぐれ☆ボーイズ』、麓健一や昆虫キッズの作品への参加でも知られるスッパマイクロパンチョップのインストアルバム。
本物のオルガンの音色こそ使われていないが、選ばれる個々の音色はオルガン的な味わいが模倣された生活空間向け電子音楽。
オルゴールのような柔らかさ悲しさ可愛さのある透明できれいなメロディ。ふとした音楽。
ペンギンカフェオーケストラやムーンドッグのような、サラッとしてるけれど暖かい、道ばたに展開されたお茶の間家具の如くな存在感。
エリック・サティの100年前のコンセプト「家具の音楽」を継承。
細野晴臣さんのアルバムでいえば「銀河鉄道の夜」や「コインシデンタルミュージック」や「フィルハーモニー」のようなシーンとして静まるような響き。
いつまでも何度でも聴けるように、なるべく普遍性があり刺のない音の楽曲を厳選コンパイル。
一風変わった手作り加工のパッケージはスッパ自身のデザイン。
紙ジャケットの素材は、大阪の人気印刷所・レトロ印刷JAMさんの扱っている厚紙「ベルーガ」と「しろ」の2種を使用しています。
ざらざらした味な質感、味な発色、スイカのようなよい香り。
「ズレ・色落ち・混色・ムラなど、印刷では良くないとされていることをレトロ印刷では特性として捉えております。」と、
レトロ印刷さんもそう宣言していますが、レコード水越の考える楽しさや嬉しさも、そのような常識からはちょっとはずれた部分にあり、その捉え方はとても合点がいくものです。
ハッキリいって汗ばんだ手には色がつきますし徐々に色落ちして風合いも変わっていくでしょう。
重ねた面同志も月日と共に融合していくでしょう。
折り畳んだ箇所や切り取り穴や接合加減も一つ一つズレ方綺麗さの出来映えが違います。
他の商品とサイズがけっこう違っちゃってたり、斜めに出っ張っちゃってたり。
でもそれはハズレではありません。むしろレコード水越的にはそちらの方がアタリ(たまに綺麗すぎる出来映えのものも出来ちゃいますが)。
不格好さに価値があると考えます。綺麗にデザインされすぎたものばかりに囲まれることは、それが生活の中の自由感を脅かしてるといえないでしょうか?
心地よさ、気持ち良さ、の、非常識な角度からの追求。
それはスッパマイクロパンチョップの音楽的なテーマでもあり、特に「わたしはオルガン」では徹底している部分です。
[Tracklist]
01. オープニングナイト
02. 皇帝グワシ
03. by pretending to be a model of birds circling in space no purpose
04. イカロスの帽子を弓矢がかする
05. レッツラダンス
06. 真夏の夜の夢の不思議の国のオルガン
07. チュードア
08. 考える硝子玉
09. 扇風機
10. 森へ
11. そっとすくいそっとおいた
12. ポルトガルブレイク
13. 日陰の英雄
14. それとも
15. もぐら
16. うかないヒロイン
17. 2011
18. エマヌエル夫人
19. あくさくま・しー
20. きこえる
21. 野生のオルガン
22. わたしは音楽
23. eye opening in the sea
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