疋田哲也+NIL 「Ferry」
この商品のレビュー
Electronica、IDM、Techno、Dub、Ambientなど一つのジャンルでは収まらないほどの様々な要素が鏤められた彼等従来のサウンドの良さはそのままに、心の琴線に触れる叙情的なメロディーやコード、大地と大空を駆け巡る情景的なストリングスやシンセサイザー、また聴き手の耳を離さないスムースなリズムと構成力などをはじめ、楽曲としての精度の飛躍とともにその魅力が存分に凝縮されつつ、そこに作品としての一貫性も加わり、非常に魅力的なアルバムに仕上がった。
アートワークには、第7回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ展池田満寿夫大賞、第4回山本鼎版画大賞展上田市長賞などを受賞した銅版画作家である上原修一の作品をフィーチャー。
マスタリングはAOKI takamasaやAmetsubなどPROGRESSIVE FOrM初期~中期を彩ったア ルバムを手掛けたオノセイゲン代表Saidera Masteringのチーフエンジニアである森崎雅人が担当。
[Tracklist]
01. Bud
02. Crop feat. Go Yamanojo
03. Mist
04. Trench
05. Waterwheel
06. Pray feat. Dagshenma
07. Voice 8. Voyage
09. Setting sun
10. Planet feat. Youichi Okano
11. Connection
12. Matrix
アーティストによる楽曲コメント
01. Bud: 自然の中に存在する美しいサウンドを「冷たい春風の中で力強く生い茂る草原」をモチーフに表現しました。様々な世代の心に届くようにメロディのある作品を意識し、多くのアコースティック楽器を使って自然がみせる暖かさを表現しています。
02. Crop feat. Go Yamanojo: この曲も自然の中に存在する美しいサウンドを「成長と収穫」をモチーフに表現しました。畑を耕す音とピアニカ様々な僕の身近にある音を使って構成してあります。ドラムロール(スネア)はGo Yamanojoさんにお願いして叩いていただきました。
03. Mist:「梅雨前の霧、朝焼け」をイメージして作りました。霧の中の冷たさを電子音やnoisで表現しています。
04. Trench:「海溝」をイメージして作りました。海の深さ、広がりのイメージを歪んだピアノ、モールス信号、人の声の音で表現しています。
05. Water Wheel:「夏前の水車」をイメージして作りました。くるくる回る水車のテンポ感と、水しぶきをイメージしたノイズ、木製の水車はカリンバで表現しています。
06. Pray feat. dagshenma:「祈り」をイメージして作りました。神聖な祈りを透き通る電子音で表現いたしました。抜けの良いBeat Soundは京都の音楽家dagshenmaさんにお願いして作っていただきました。
07. Voice:「人の声」をモチーフに作りました。アルバム後半に向けてのラストスパート感がでるようにやや早めのテンポです。声の美しさを出したかった曲です。
08. Voyage:「航海」をイメージして作りました。海の上をゆっくりと旅するイメージです。変わった景色ではなくゆっくり穏やかに変化していきたかったので、曲調もミニマルにしています。
09. Setting sun:「夏の終わりの落日」をイメージして作りました。まだ少し暖かい夏の終わりを表現したかったので、メロディのカリンバはテープを通して劣化させ暖かさが出るように工夫しました。
10. Planet feat. Youichi Okano:「冬の夜空の星」をイメージして作りました。寒さの中に懐かしさを出したかったので音も透き通る電子音と、古いテープの揺らぎを使って古い懐かしいサウンドを目指して作りました。Pad、空間の美しい音にはYouichi Okanoさんの音を使わせていただきました。
11. Connection:「世界の人の繋がり」をイメージして作りました。様々な国の方の人の声をサンプリングして曲の中で繋げました。
12. Matrix:「母体」をイメージして作りました。最後の曲ですので次回作品が生まれる、育つイメージで母体です。羊水の中で広くゆっくりとした感じの中、自然の音を聞きながら次ぎの作品を生み出せればと思っています
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