LUSINE 「Sensorimotor」
この商品のレビュー
本作『Sensorimotor』はそのタイトルからも分かるように全体的に内省的なムードも感じさせるが、90年代後半から15年以上に及ぶ彼のキャリア史上最もポップとも言える傑作に仕上がった。元々はデトロイト・テクノとUKの初期インテリジェント・テクノの影響を受けて制作を始め、メランコリックでメロディックなダウンビート・テクノとでも呼ぶべき独自のサウンドを生み出して来た彼だが、多大なキャリアと経験を消化/昇華し、サウンドの幅をさらに広げている。
MPC1000、アナログ・シンセ、ハンド・パーカッション、グロッケンシュピール、フィールド・レコーディング、ライヴ・インストゥルメンツのサンプルなどを駆使して制作されており、インテリジェント且つエレガントな世界観を描き出す。情感豊かなインストゥルメンタルから女性ヴォーカルをフィーチャーしたポップ且つメロディアスな展開まで、様々なサウンドを横断していく。その浮遊感とグルーヴにぐいぐいと引き込まれる。ゼロ年代初頭から頭角を現したエレクトロニカ〜IDMのオリジネーターの1人であり、今日においてもその進化を止めないLusineが辿り着いたイマジネティヴでドリーミーな極上サウンド。
【Track List】
01. Canopy
02. Ticking Hands (feat. Sarah McIlwain)
03. Slow Motion
04. Just a Cloud (feat. Vilja Larjosto)
05. The Level
06. Witness (feat. Benoît Pioulard)
07. Chatter
08. Won’t Forget (feat. Vilja Larjosto)
09. Flyway
10. Tropopause
11. The Lift
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