DUCKTAILS 「Jersey Devil」
この商品のレビュー
ニュージャージー出身で、現在はLAを股にかけ活動している、Matt Mondanileによるソロ・プロジェクトDucktailsの、Real Estateを脱退して初となる通算6作目のニュー・アルバム。
2016年夏に本プロジェクトに専念する為に長年在籍したReal Estateを脱退。本作『Jersey Devil』はそれ以降初となるアルバムである。
様々な経験を経て音楽的に成熟した今、あえて原点であるDIYスタイルへと回帰し、作詞・作曲・録音・プロデュースまでを自ら手がけ2年以上の歳月をかけ録音。そして地元ニュージャージーはホーボーケンのSonic Youthのスタジオ、Echo Canyonにて、エンジニアErnie Indradatと共にミックスをし完成させた。
近年日本の80年代のジャズ、フュージョン、シティ・ポップなどを聴きあさっている彼だが、特に細野晴臣に多大なインスピレーションを受けていると言い、ソングライティングやプロダクションにおいて大きな変化と飛躍がみられる。
サイケデリックでどこか物憂げなMVが話題となった冒頭の「Map to the Stars」から、彼ならではのリヴァービーに絡み付くようなギターとアトモスフェリックなキーボードがゆったりとしたリズムに乗って、親しみ易いメロディと味わい深い歌唱が漂い、心地よい酩酊に誘うような小気味良いポップ・サウンドが生成される。
はっぴいえんどを想起させるような滑らかな展開からコズミック〜AORなテイストまで、円熟味を増したソングライティングの魅力と初期を彷彿とさせるローファイ感が絶妙のバランス感で同居した、Ducktailsの今が凝縮されたドリーミーで夢見心地な世界観は必聴。
また、ゆかりの深い実力者の友人達も本作に花を添えている。Girls、Sky Ferreiraなどで知られるJohn Andersonと、バンド編成時代のメンバーであった、Malcolm Oliver Perkinsがギターと作曲、プロデュースのヘルプで参加。またMalcolmはSamira Winterと共に美しいハーモニーも聴かせている。さらにMalcolmと同様に以前のバンドメンバーで、Chris Cohen Bandや自身のバンドRegal Degalでの活動でも知られるJosh da Costaが見事なドラム・フィルを演奏している他、韓国のインディーズ・バンドParasolのChi Yoon Haeがベースで参加している。
【Track List】
01. Map to the Stars
02. Light a Candle
03. In the Hallway
04. Keeper of the Garden
05. Solitary Star
06. Lover
07. Mannequin
08. Wearing a Mask
09. Shattered Mirror Travel
10. The Rising Sun
11. Digital Perm *
12. Maps to the Stars (Slowed) *
* = Bonus Track
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