The Sea and Cake 「Any Day」
この商品のレビュー
今やブライアン・ウィルソンの作品には欠かせない存在(2016年の“ペット・サウンズ 50周年アニバーサリー” ツアーでは音楽監督)となったポール・マーテンズが久々に(2000年のアルバム『oui』以来)ゲスト参加して、アレンジを彩り、ユーフォン(Euphone)名義での活動でも有名なニック・マクリ(Thrill Jockeyからもリリースしていたザ・ジンクスのメンバーでもあった)がダブル・ベースで参加している(その他の曲のベースはジョン・マッケンタイアが担当)。
ジョンのドラミングは初期の作品群に匹敵するほど軽快かつ緻密に、これまでは控えめだったアーチャーのギター・エフェクトが非常に効果的に使用されており(サムのギターとのアンサンブルも素晴らしい)、最小限の編成ながら今まで以上に多彩なアレンジに聞こえる工夫がなされている。
3月に発売されたばかりのヨ・ラ・テンゴの最新アルバム『There’s a Riot Going On』のミックスでもその手腕を発揮したジョンのエンジニアリングは冴えわたり(レコーディングはシカゴとジョンが移り住んだLAで行われた)、繊細でオーガニックなサウンドと、流麗かつメランコリックなメロディーが今まで以上に絶妙にブレンドされた、ザ・シー・アンド・ケイクにしか創り出せないオリジナリティ溢れる傑作アルバムが完成した。
彼らの正統な継承者ともいえるリアル・エステイト、影響を公言しているキング・オブ・コンビニエンスのEirik Glambek Bøe率いるKOMMODEのファンには堪らない、捨て曲なしの珠玉のギター・ポップ・アルバム。
【Track List】
1. Cover the Mountain
2. I Should Care
3. Any Day
4. Occurs
5. Starling
6. Paper Window
7. Day Moon
8. Into Rain
9. Circle
10. These Falling Arms
The Sea And Cake "Any Day" Album Trailer from Thrill Jockey Records on Vimeo.
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