The Heavy 「The Glorious Dead」
この商品のレビュー
UK南部のバースで黒人ヴォーカル、スワビーとギタリストのダンTを中心に結成された4人組バンド、ザ・へヴィー。基本的にザ・へヴィーの楽曲はこの2人によって制作されており、キャリアをスタートさせ、間もなくクリス・エリュール(Ds.) とスペンサー・ペイジ(b.) がメンバーに加わり、現在は脱退してしまった紅一点のリトル・ハンナも加わった当時にはそのサウンドも随分と厚みを増し、現在の形に近くなっていた。
2008年に『Great Vengeance and Furious Fire』デビューすると“まるでカーティス・メイフィールドとレッド・ツェッペリンがセッションしたかのよう”と称され、60〜70年代のロック/ソウル黄金時代の普遍的なフレイヴァーをヒップホップ以降の現代の感覚で融合させたグルーヴが絶賛され、瞬く間に多くのリスナーが共鳴した。2009年にリリースされた2ndアルバム『The House That Dirt Built』は本国UKのみならずUSでも大ヒットとなり、15万枚以上のセールスを記録した。
世界的ブレイクを果たした後にリリースされる、3年ぶりとなる最新作『The Glorious Dead』は、これまで披露してきた重厚かつ圧巻のグルーヴはさらに黒くなり、サイケ、ファンク、ヴゥードゥー、リズム&ブルースからレトロ・ソウルまで史上最多の音楽要素を飲み込んだ快心作に仕上がった。
先行シングル“What Makes A Good Man ?”(M-3) はアルバムの中核となる曲で、この曲のレコーディングがアルバム全体の基礎を固める物となった。レッド・ツェッペリンばりの重厚グルーヴと力強いゴスペル・コーラスが見事な高揚感を醸し出し、“Big Bad Wolf”(M-4) ではファンキーなブレイクビーツと怪しげなエレクトロをバックにジェイ・ホーキンズばりの絶叫を披露、ニュー・オリンズ直系のボトムが効いたブラス・ナンバーに仕上がっている。
近年のレトロ・ソウル回帰のストレートなエレジー・ムードを纏いながらも、モダンな鳴りでその歌心が染み渡る“Be Mine”(M-5)ではスワビーのエモーショナルなヴォーカルが、今まで以上にバンド・サウンドとの絶妙な絡み合いを聴かせている。さらには鉈でぶった切ったような凶暴なギターリフとホーンが破壊力抜群の“Same Ol’”(M-6)、“Just My Luck”(M-7) ではブルージーなガレージ・パンクとソウルフルなブリッジが渾然一体となって押し寄せ、狂乱のパーティ・チューンへと昇華される。アルバムの最後を飾る曲“Blood Dirt Love Stop”(M-11) に至っては、かのダニー・ハサウェイによる名カバー“You've Got A Friend”級の大団円ソウルを披露している。
ファンクやクラッシック・ブルース、R&B等、あらゆる古い音楽のエッセンスを斬新なアイディアとクロスさせ、進化したヴィンテージなサウンドがここ狭しと言わんばかりに主張しあう一枚。焼ける様に熱いソウルフルなヴォーカルと重厚なギター・サウンド、そしてサイケ&ファンクな黒いグルーヴ。ノスタルジックで異常なほどにクセになる…ザ・ヘヴィー。聴くものの魂を揺さぶる超濃厚かつ重厚な最終兵器が、遂にシーンに投下される!!!!
01. Can't Play Dead
02. Curse Me Good
03. What Makes a Good Man?
04. Big Bad Wolf
05. Be Mine
06. Same Ol'
07. Just My Luck
08. The Lonesome Road
09. A Lesson Learned (Bonus Track for Japan)
10. Don't Say Nothing
11. Blood Dirt Love Stop
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