Oval 「O」
この商品のレビュー
'90年代中盤、CDスキップを使用したエポック・メイキングな実験電子音響作品を世に送り出し、エレクトロニック・ミュージックの新たな可能性を提示して世界中にフォロワーを増殖させたオヴァルことマーカス・ポップ。
自らが生み出したラップトップ・ミュージックの隆盛に嫌気がさし、遂には音楽業界からも引退してしまったマーカスが復帰して2010年にリリースした2枚組
オヴァル名義としては2001年の『ovalcommers』以来、マーカスにとってもエリコ・トヨダとのユニット、soの2003年の1stアルバム以来となる新作アルバムはなんと全76曲収録の2枚組CD。CD1は「ミックテープ」、CD2は「スケッチブック」と自ら称し、それぞれ性格の違う作品となっている。
マーカス自身がギターやドラムをはじめ全ての楽器を演奏し(全収録曲の作曲、プロデュースも本人)、それらを効果的にフィーチャーして制作されたトラックの数々は、これまでのオヴァルのイメージとは無縁ともいえる色彩豊かで清涼感に溢れるサウンドとなっており、懐かしさえ感じさせる。
アルバムに先行してリリースされた12インチ・シングル『Oh』(1000枚限定で、発売と同時にソールド・アウトとなった)で新たなオヴァルは予告されていたが、アルバムではそのサウンドを更に深化させたものになっていた。
歴史的名盤の2枚『systemisch』、『94diskont.』(Pitchforkの'90年代の100枚にも選出されている)で浸透した感受性豊かな抽象的で鋭利な電子音響の世界観を残しつつも、革新的かつタイムレスで、オーガニックかつ洗練されたサウンドを創り出している。
自らが第ニのデビュー・アルバムと位置付ける程の自信作であり、批評的でありながらも「音楽」愛に満ちた作品。
●4種類の色違いの紙ジャケット仕様(Thrill JockeyのCDはイニシャル分に関しては3種類のみ)
●日本盤CDのみボーナス・トラック6曲(Thrill Jockeyのアナログ盤のみの収録曲)収録
●日本盤のみマーカス・ポップ自身がオリジナル盤よりも遥かに良いと認めた益子樹によるリマスター音源を使用(曲間の指定も日本盤のみマーカスの指定通りになっています)
DISC 1
01. PANORAMA
02. AH!
03. SHHH
04. GLOSSY
05. STOP MOTION
06. SKY
07. BEIGE
08. BRAHMS MANIA
09. CINEMATIC
10. CRY
11. COTTAGE
12. I MUSIK
13. SALAMANCA
14. DOLO
15. DRICAS
16. CYPRUS
17. VESSEL
18. DYNAMO
19. FINIS
20. EMOCOR
21. ALPEN WIREFRAME
22. WONDA
23. INTENSIFY
24. ENCORE
25. 1983
26. HAFF
DISC 2
01. CITY
02. OSLO
03. IJ
04. RIVO
05. POMP
06. BLINKY
07. PARALLAX
08. KORAL
09. KOLOR
10. AUTO MATIC
11. DREAM OVER
12. PASTELL
13. MAGNIFY
14. DRIFT
15. ALLOVER
16. DERBY
17. FLAX
18. BERGEN BEST
19. MATIN E
20. KUKICHA
21. 6 AM
22. FLAMINGO
23. RIVO II
24. GOODBYE
25. FONTAN
26. CO-ECHO
27. STOP MOTION I
28. VITESSE
29. SEPTEMBER
30. VOIL
31. VEGAS TOP
32. EXPO
33. LONELY
34. JAVA
35. KLACK
36. PROJECT EVERGREEN
37. RAINYDAY
38. BIG CITY NIGHTS
39. ROSAMMIE
40. GALLO
41. MAY TEA
42. CHRONOGRAPH
43. JANK
44. BREEZY
45. PRESS
46. FORM FAKTOR
47. TERMINAL
48. KARO
49. SWISS SUMMER
50. HAPPYEND
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