土井玄臣 「The Illuminated Nightingale」
この商品のレビュー
大阪を拠点に活動するSSWである土井玄臣は、これまでに二枚の自主制作盤を発表。2010年作の『んんん』は、昨今流行りのフリーDLならぬ、無料配布(土井のホームページへリクエストのメールを送ると、後日郵送でアルバムが届くというもの。現在は配布終了。)という形態でリリースされ、その発表方法のユニークさと、楽曲の質の高さから、ネットを中心に口コミで注目を集めてた。
自主制作盤のリリースを経て、土井本人が「正式なファーストアルバム」と位置付ける今作『The Illuminated Nightingale』は、夜の幕開けから夜明け前までの流れを描いた、全編「夜」をテーマにした作品。
スウィンギーなポップソング、柔らかな電子音と打ち込みのリズムのエレクトロポップ、そして厳かなワルツにシンプルな弾き語りまで、それぞれに多彩な表情を見せる楽曲からは、アレンジャーとしてもメロディメーカーとしても非凡な才能を強く感じさせ、淡く中性的なハイトーン・ボイスで歌う、哀しみや孤独、不安、歓喜、安らぎなど、あらゆる感情の光と闇が入り交じる詞世界は、土井の存在をますます個性的なものにしている。
夢を見ては醒めるを繰り返し、ファンタジー(浮力)と現実(引力)がせめぎ合う世界を彷徨い辿り着いた、夜の終わりを告げる場所から見える景色とは?
01. ダークナイト
02. 夜の眼が開いた
03. オスカー
04. カファール
05. サリー
06. Auf Wiedersehen
07. 自転車狂想曲
08. 涯てな
09. ナイチンゲール
10. 夜明け前
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