Reliq 「Metatoropics」
この商品のレビュー
容姿もプロフィールも謎なまま突然変異種的に世に現れ、アルバムをリリースする毎に驚きと熱狂とともに圧倒的ななセールスを記録する異色の音楽家、Serph。2014年1月には遂に初ライブを敢行し、満員御礼の会場に光と音のユートピアを具現化してみせた彼が、Reliq名義としては二作目となる新作『Metatropics』をここに完成させた。
Serphの音楽が理想郷で奏でられるものだとすれば、Reliqのそれは現実都市で鳴り響く音楽。ファンタジーではなく実写、喜びではなく陶酔、メルヘンではなくセンチメンタリズム。より身体に作用するダンス・ミュージック的側面が強いのもReliqの特徴の一つ。
今作では、前作で見られた優美で官能的なエキゾチシズムはそのままに、ジューク、トラップなどのゲットー・ミュージックや、日々刷新される様々なベース・ミュージックを咀嚼し、よりリズム面での多様性を押し進めた結果、生来の恐るべきポップ・センスも相まって、ダンス・ミュージックとしての実用性とヘビー・リスニングに耐えうる複雑さを凝縮させた、全くもって摩訶不思議な、トリック・スター的電子音楽が誕生した。
Reliq曰く、アルバム『Metatropics』のテーマは、「気候変動の激化していく世界に於ける新たなトロピカルミュージック」。この作品は、コンクリート・ジャングルの行く末、SF化が加速する現実世界を生きる私たちの為のサウンドトラック。溢れ出るアイデアと実験精神をもってエレクトロニック・ミュージックの無限の可能性を証明してみせた、Reliqの大いなる飛躍の一枚。
[Tracklist]
01. wanderer
02. macafu
03. girlee
04. freelunch
05. rainyray
06. sentimen
07. sprite
08. willo
09. venghi
10. helfgott
11. straje
12. peace
13. tropika
14. tei
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