COLLINS LYNCH WATSON 「COLLINS LYNCH WATSON」
この商品のレビュー
オーストラリアにて結成されたポストクラシカル・トリオ、COLLINS LYNCH WATSON 1stアルバム。
柔らかなピアノから始まる本作は、ギター、ストリングスが加わるに連れ一層音の深みを増していきます。テクスチュアルなループが全体の空気を包み込むと共に、かつてcity center officesよりリリースされていたKukka兄弟によるプロジェクト「The Gentleman Losers」を彷彿とさせるギターサウンドが広がり、遠く囁くように響いてくるストリングスと相まって、在りし日の甘く苦い記憶を呼び起こすようなサウンドを形成しています。
サウンドトラック・アンサンブルの名を遺憾なく発揮し、Brian Enoの即興性と実験性を内包しながらもThe NecksやDirty Threeなどオーストラリアの原風景を想起させる本作は、ポストクラシカルというジャンルながらも、人間の持つ美しさだけではない内面性をフォーカスしているようにも感じられます。
例えるなら本作は、ファーストキスから失恋に至るまでの、あるいは完成されない人世のためのサウンドトラックと言えるでしょう。
【Track List】
1,Don't Be Long
2.Building A Home
3,The Long Winter
4,Best Not To Mention This To Anyone
5,The Horse That Bolted
6,Only The Dead Have Seen The End Of War
7,A Watched Pot Never Boils(Bonus Track For Japan)
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